「終末期鎮静」は安楽死か?激痛の末期がん患者に鎮静剤投与し「眠ったまま最期」

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

家族は同意しても本人は認知症。意思の確認が取れない・・・

   3年前、末期の肝臓がん男性患者に鎮静を施したある医師も心が揺れている。患者は強い痛みから来る「せん妄」状態で、認知症も患っていて、大声を出したり暴れたりしていた。患者を主に介護していた妻は体力的にも精神的にも限界と見られる状況となり、鎮静を検討した。

   妻は同意したが、本人の明確な意思は確認できなかった。この場合、ガイドラインでは本人の以前の考え方から推測して、鎮静を希望しているかどうかを判断するそうだ。この医師は患者がかつて「穏やかに死にたいと話していた」と聞いて、鎮静を行った。ガイドラインの要件は慎重に判断したつもりだが、家族の境遇にも配慮してしまったのではないかと自問自答している。

   池田記者「日本緩和医療学会は終末期鎮静の要件をより厳しくしようと検討しています。そもそも、ガイドラインは多くの医療従事者が判断に関われる病院などで使われることが前提になっていて、在宅を念頭に作られていません。今後は、在宅でも複数の医師が判断に関わることができるような仕組みを作るなどの検討が必要だと感じました」

*NHKクローズアップ現代(2016年1月19日放送「『最期のとき』をどう決める~『終末期鎮静』めぐる葛藤~」)

姉妹サイト