業界じゃ常識?「産廃食品横流し」ココイチの廃棄ビーフカツだけじゃない!

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   廃棄されるはずの食品がスーパーで堂々と売られていた。愛知県で発覚した廃棄食品の転売がかなり広範に行われていたことがわかってきた。元凶は販売した産廃業者と買い取った食品会社だが、背景には食品業界の慣習や消費者嗜好が絡んでおり、さらに大きな騒動に広がる可能性がある。

「みのりフーズ」マルコメの味噌や冷凍マグロなど108品目

   産廃品の横流しが発覚したのは偶然だった。愛知・津島市内のスーパーでカレーチェーン「CoCo壱番屋」のビーフカツが売られているのを、「壱番屋」の従業員が見つけたことだった。カツは一宮市の自社工場で作って店内で提供するもので、スーパーなどでは販売していないはずだった。

   調べたところ、製造工程でナイロン製品が混入したとして昨年(2015年)9月、廃棄処分した約4万枚の一部とわかった。廃棄を依頼された稲沢市の産業廃棄物処理業者「ダイコー」が、3万3000枚を食品会社「みのりフーズ」(岐阜・羽島市)に売っていた。その一部がスーパーに並んでいたのだ。他にも、精肉店などでも売られていた。

   愛知県と愛知県警の調べに、「ダイコー」は転売の事実を認めている。「みのりフーズ」は「廃棄物だとは知らなかった。買ったのはビーフカツだけ」と説明していたが、15日(2016年1月)になって、CoCo壱番屋のチキンカツやメンチカツも購入したことを明らかにした。その際、「(ダイコーから)隠せといわれていた」と口を滑らせている。

   岐阜県の調べで、「みのり」の敷地内にある倉庫からは、マルコメの味噌製品も見つかった。マルコメはおととし3月から昨年7月までに144トンの廃棄を「ダイコー」に依頼していた。ほとんどが売られてしまったとみられる。同様に、静岡のメーカーの「冷凍マグロ」も見つかった。昨年4月に2トンの廃棄をしたはずだったが、転売されて、「みのり」に残っていたのは500キロ余りだった。1.5トン弱の行方が分からない。「みのり」が転売した産廃食品は少なくとも108品目になる。

   玉川徹(テレビ朝日ディレクター)「廃棄物じゃなくて生ゴミですよ。それを流通させて、われわれが食べさせられた。そういう話ですよ」

弁当に加工されたら消費者気付けない

   司会の羽鳥慎一「私たちは気づいていなかったわけですが、推測ですけど、他にもいっぱいあったかもしれないですね」

   玉川が指摘するように、ゴミを産廃業者から買うなんてことがあるのか。食品表示アドバイザーの垣田達哉氏は「考えられないですよね。金儲けのためならなんでもやるということです」

   羽鳥「それがたまたま見つかったということでしょうか」

   垣田「社員じゃないと横流しは分からないですよね。スーパーだからわかりましたが、弁当などに加工されていたら分からなかったでしょう」

   「ダイコー」は壱番屋から廃棄料を受け取って、原価ゼロのカツを1枚33円で売り、ざっと100万円を手にしていた。「みのりフーズ」からは2つのブローカーを経てスーパーなど末端に至っていた。この転売のサヤは3円~8円とごくわずか。最後のスーパーでも十数円だった。

   玉川「末端に近くなるとサヤも少ないし、産廃とは知らなかったという証明かもしれない」

   こういう流通があるのは、在庫処分と賞味期限のルールの問題があると、垣田氏はいう。そして、格安食品が生み出される仕組みでもある。ということは、ほかでも行われているということだ。

   羽鳥「どうしたらいいんでしょうか」

   垣田「安すぎる場合は店員に聞くしかないでしょうね。消費者が疑問を持つことことが大事です」

   愛知県などが産廃業者への立ち入りをしているが、法律も想定していない事態なので、弁護士の菅野朋子も「適切な法律がない」という。となると、国も動き出せないということか。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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