長野県・軽井沢町で乗員乗客14人が死亡したスキーバス事故で、運転手はブレーキを踏んでいなかった可能性があることがわかった。バスははじめ右カーブでガードレールに接触し、続く左カーブを曲がりきれずにそのまま反対車線を横切って崖下へ飛び出した。転落直前の道路には1本の太いタイヤ痕と、その外側に細いタイヤ痕が残っていた。
これについて、交通事故鑑定人の佐々木尋貴・日本交通事故調査機構代表は「太いタイヤ痕は前輪で、細い2本は後輪です。通常は後輪は前輪の内側を通るのですが、外側になっているということは2輪走行で傾いていたということです」と説明する。
下りでブレーキ踏み過ぎてきかなくなってたか?
住田洋リポーターが教習所でバスの遠心力の強さを体験した。碓井バイパスの制限速度と同じ50キロで走り、ハンドルを切ると、車内では体が窓際に強く押し付けられ、顔をしかめるほどの横Gだ。バスはいまにもカーブ内側の車輪が浮き上がりそうである。事故を起こしたバスはかなりのスピードが出ていたことになる。
佐々木氏「ガードレールにぶつかって、ハンドル操作ではなく、ブレーキを踏むとか、スピードを落とす操作をしていれば、このような被害が大きい事故にならなかった可能性は(あると)言えると思います」
そもそも、最初にガードレールに接触する前にブレーキを踏むはずだが、その痕跡はない。下り坂が続き、ブレーキを踏み過ぎてきかなくなってしまっていたということはないだろうか。