堀北真希・山本耕史夫妻が部屋探しに訪れた不動産会社で、接客した女性社員にその内容をツイッターで流されてしまった。許されないことだが、これを見たネット族がこの社員に「復讐・私刑」を加え大炎上になった。
女性社員は20代で、9日(2016年1月)にこう書き込んだ。「きょう、仕事で堀北真希と山本耕史夫婦を接客した。いきなりの出来事に手の震え止まらなかったw そしてついツイートしちゃった!!!!」「すっぴんマスクメガネで芸能人オーラ消してたからよくわからなかったけど、小柄で可愛らしかったのは確か!!! 旦那はかっこよかった!!」
ここまでならまだ許されたかもしれないが、その後がいけない。「35万の物件を紹介したw」「賃貸で探してるくさいw」なんてことまで暴露したのだ。たちまち、「何漏らしてんだよ」「こんな事されたら有名人はどこにも住めなくなる」「個人情報もらす店員には厳しく断罪を」「ブラック企業かよ」「どういう思考回路してんだ」と批判が殺到した。
抗議電話で会社の業務ストップ。名前、勤務先、顔写真、出身校、家族写真までネットに
女性は書き込みを削除したが騒ぎは収まらず。女性の勤務先の支店だけでなう、本店や他の支店にも電話が殺到して業務がストップしてしまっている。堀北・山本夫妻への謝罪や女性社員の処分も検討中というが、事態が収拾される見通しは立っていない。
さらに、女性の個人情報が割り出され、名前、勤務先、顔写真、出身校から家族の写真までがネットに晒されてしまった。「復讐」「私刑」というのだそうだ。
ジャーナリストの井上トシユキさんによると、今回の女性のような投稿をする人は他のSNSや掲示板も使っているので、そうした書き込みから個人情報が取れてしまうのだそうだ。いったん書き込まれた情報は完全には消えないから、批判もエスカレートしていくという。
今回のツイートに街の声は「配慮に欠ける」というものから、「自慢したいというのがあるから、自分もツイートしてしまうかも」というものまでさまざまだ。30代の高校教師の女性は「個人情報の取り扱いについては、生徒に指導はするんですが、なかなか徹底しません。犯罪になりうるとは思わないんです」と話す。
自分は安全地帯にいて『復讐』『私刑』のいやらしさ
2011年にはサッカー元日本代表の稲本潤一・田中美保夫妻の結婚前のデートを飲食店従業員が暴露され、俳優の向井理は滞在先のホテルが明かされた。タレントの雛形あきこの携帯電話買い替えをショップ店員が書いたり、ももいろクローバーZが写ったコンビニの防犯カメラ映像が公開されたりもあった。
井上さんは「若い人は何かあったらSNSや不特定多数に知らせるのが普段の行動になっています。条件反射になってる」という。「復讐」も罵詈雑言だけでなく、「街を歩けないようにしてやる」と脅迫もあるという。
司会の羽鳥慎一「軽い気持ちでやったんでしょうけど、SNSで自分が集中攻撃に晒される時代になったんですね」
玉川徹(テレビ朝日ディレクター)「SNSの機能は道を歩いていて、知らない人に次々にしゃべっていくのと同じことですよ」
羽鳥「しかも、ものすごいスピードですよね」
キャスターの宇賀なつみ「世界中ですからね」
青木理(ジャーナリスト)「メディアに載せるときは、2つ考えなくちゃいけない。出すか出さないかを真実性と公益性で判断すること。このテレビもそれでやっているが、同じ機能を個人も持てるようになったんですね。それは素晴らしいことですが、慎重でないといけない」
羽鳥「今回は本当にこの2人でしたが、そうでなくても投稿できちゃう」
AERA編集長の浜田敬子は「記者には、取材のこと、仕事のことはつぶやかないようにいっています。どんな職業でも同じですよ」
ツイートした女性社員は会社への損害賠償とかクビになる可能性もある。一方で、女性は個人情報をさらされた被害者でもある。度を越した攻撃者には損害賠償を請求できるというが、ネットで相手を特定するのは容易ではない。
玉川「攻撃者は何かされたわけではないから、報復でもないし、リンチとも違う。単なる暴力ですよ。法律が追いついてない。過剰なものには何らかの法的措置が必要だと思います」
羽鳥「攻撃してる人たちの情報収集能力はすごい」
玉川「すごいですね」
浜田「逆に攻撃者をネット上で探し出したこともあります。ネットではそれもできるんです」
その能力をまっとうに使えば力になるだろうに。