中国も堪忍袋の緒が切れた!国連制裁に賛同
アメリカの衝撃も大きかった。ブッシュ政権で北朝鮮との核交渉に携わったジョージタウン大学のビクター・チャ教授は、「北は核保有国として、米国と交渉したいのだろうが、米外交での北の優先順位は低い。強い圧力をかけるべきだ。米国は同盟国の日本、韓国と協力して、中国に最優先で対応するよう働きかけるべきだ」という。
中国との関係を損なってでもという核実験の意図は何なのか。金正恩は元日の所感では「経済発展と人民の生活向上」を訴えただけで、核実験には一切触れなかった。それだけに衝撃は強かった。早稲田大大学院の李鍾元教授は「あえて内外への衝撃を狙ったのだろう。ウォッチャーはみな虚をつかれた」という。関西学院大学の平岩俊司教授も「中国とも韓国とも対話重視に見えていました。また、北はそのために自制していた面があったが、モランボンの件でその必要はなくなったと判断したのではないか」と見る。
李教授「核実験はこれまでアメリカに向けられてきたが、今回は中国に向けられたものでしょう。短期的には中国の圧力を拒絶するという強烈なサインです」
平岩教授「圧力をかけて北朝鮮が混乱することは中国も望んでいないし、北朝鮮もそれをよく知っている」
オバマ政権は北朝鮮に対していわゆる「戦略的無視」を通してきた。この実験にはそうしたアメリカの政策の失敗を印象付ける狙いがあると、李教授は言う。オバマ政権の次の政権との何らかの交渉の土台を作りたいという意図も感ずる指摘する。
結局、話は中国へ戻る。過去の核実験に対する国連制裁の効果が上がらなかったのは、中国の消極的な姿勢にあった。「今回はその中国の持つ力をどう使わせるかだ」と平岩教授はいう。つまりは、関係国の連携がカギを握ると、これが結 論だった。
ヤンヤン