「新たな隣人たち」シリーズの2回目だ。国内で働く外国人労働者は過去最多の78万7000人になり、とくに介護、サービス業など人手不足の分野では欠かせない存在だ。国谷裕子キャスターは「外国人とともに働く社会に向けて、企業や社会のあり方が問われています」と取り上げた。
「外国籍社員のおかげで会社は成り立つ」
外国人を積極的に雇用している横浜市の介護事務所団体は、外国人労働者を支援するコーディネーター制度を全国に先駆けて採用した。コーディネーターの福山満子さんは中国残留孤児の子供で、14歳で来日した。自分の経験を生かし、外国人労働者の就職面接への同行、就職したあとの心のケア、アドバイスなどを行っている。
「(介護の現場では)心と心、通じ合えば、言葉はいらないと思います。日本語ができなくても、信頼関係ってできちゃうんですよ。だから自信を持って、仕事してほしいです」
全国で340店舗以上を展開する外食チェーンは、8年前から外国人の雇用を始め、いまでは50人が正社員として働いている。しかし、定着率が低く、2年前まで2人に1人が辞めていた。会社が外国人社員を対象に調査を行ってみると、職場で孤立しがちで個性を発揮できていない実態がわかった。そこで、1人1人に合った接し方を考えるようになった。職場の雰囲気は改善し、店全体の活性化につながったという。
「彼らが悩んでいること、思っていることを聞き出し、耳を傾け、それに対応することをやっていきました」「いま僕らは外国籍社員のおかげで、自分たちの面持ちがみるみる変わり、考え方が変わっていく。そういうことに誇りを持ちます」(専務取締役)
今年度は外国人社員のおよそ9割が残っており、将来は会社の幹部になると期待されている。