念頭から大ズッコケの新アベノミクス「一億総活躍」ばらまきに期待すると痛い目にあうぞ
週刊ポストは巻頭で「日本経済は絶好調」とやっているが、私の経験からいっても、こういう記事を出したときは得てして反対になることが多い。案の定、発売された4日から株は大暴落してしまった。安倍首相が年頭所感で「もはやデフレではない。一億総活躍時代だ」と威勢のいいことをいい放ったことへの市場の答えは「NO!」だった。
中国市場で株売りが殺到して2度も取引停止になり、真偽のほどはわからないが北朝鮮が水爆打ち上げに成功したとぶち上げた。私のようなど素人が見ても、週刊ポストのいうように、今年が「資産倍増」「老後年金捻出」のラストチャンスになるとはとても思えない。
いつも不思議に思うのだが、こうした景気のいい特集を組むとき、なぜ株を生業にしている人間に聞くのだろうか。今回も冒頭は日経CNBコメンテーターでケイ・アセット代表の平野憲一氏を出して、こう言わせている。<「外国人投資家の日本株への関心がかつてないほど高まっている以上、まだまだ(株が=筆者注)上がるのは必至です」>
カブ知恵の藤井英敏氏にも<「日経平均2万5000円になってもおかしくない」>といわせる。安倍首相や麻生財務相に「今年の景気はどうなりますか」と聞けば、「まあ、ぼちぼちでんな」と答えるわけはない。最初にタイトルがあって、それに都合のいいコメンテーターを当てはめたと思われても致し方ないのではないか。
安倍首相の参院選目当てのバラマキ予算に期待しすぎると痛い目にあう。もはや日本一国だけで市場を左右できる時代ではない。バカの一つ覚えのように、「経済成長」をいっていればいい時代ではないのだ。今こそ「足るを知る」「みなで分け合う」日本をつくることこそ肝心である。