週刊誌の新年合併号がほぼ出そろった。週刊現代、週刊ポストが450円だが華やかさはない。昔の新年号の表紙といえば、その時いちばん売れっ子の女優を起用したものだ。今の週刊現代、週刊ポストも文字ばかりで、かろうじて週刊ポストが吹石一恵の写真をやや大きく使っているが、週刊現代のほうはグラビアの深田恭子を小さくあしらっているだけだ。
週刊文春、週刊新潮はイラストだが、どちらも浮き浮きと心弾む絵ではない。時代を投影しているからであろう。
週刊文春の巻頭は日本にイスラム国のメンバー2人が潜伏しているという記事。週刊新潮は天皇陛下が誕生日の記者会見で「15秒間絶句」したことを取り上げている。週刊現代と週刊ポストはともに来年の大予測。干支は申年だが、1956年に次ぐ戦後2度目の丙申(ひのえさる)で、丙は「かまどの火のもえるさま」という意味があるらしいから、激動の年になるのか。56年には、週刊誌ブーム、水俣病の発見、太陽族、エルビス人気、もはや「戦後」ではない、一億総白痴化、第2次砂川闘争が起きている。
日本潜伏ISテロリスト「フランス人で氏名、容貌、身体的特徴」日本当局は入手
まずは週刊文春の記事から。その情報は「欧米の情報機関と日本当局とが開設している極秘の伝達手段によって得られたものである」という。内容は「IS関係者、二名、日本国への入国情報アリ。確認されたし」。1人はパリのテロ事件の首謀者アバウド容疑者と「接触」していたことが確認された男A。もう1人はISの資金調達を任務としているのではないかというBだが、こちらは性別さえもわかっていない。
信憑性がどこまであるのか記事を読む限りわからないが、あり得る話ではあろう。Aはフランス人で氏名、容貌、身体的特徴まで詳細な情報を日本当局は入手しているという。それが事実ならAが補足されるのは時間の問題だろう。
以前ここでも書いたと思うが、フリージャーナリストの安田純平氏がシリアの武装組織に拘束され、身代金を要求されているという情報がある。彼は今年(2015年)6月に取材でシリア国内に入った後、行方がわからなくなっている。もしこの情報が事実だったとしたら、日本政府はどのように対処するのだろう。後藤健二氏のときのように、後手後手と回って見殺しにするのだろうか。気懸かりである。