年の瀬の東京・上野のアメヤ横丁で、買い物客を狙ってスリを働いた男が逮捕された。捕まった群馬県高崎市の無職、柳川正幸容疑者(66)は界隈の常習犯だそうだ。「ぜいたくに生活するにはスリをしないと年が越せない。買い物に夢中で警戒心がなかったので狙った」とうそぶいている。
警察官のスリ眼!イッパツで見抜く「こいつは怪しい」
柳川は今月18日(2015年12月)の昼ごろ、おせち料理の筋子を買っていた84歳の女性が手に持ったビニール袋から現金5万6000円入りの財布を抜き取った。午前中から浅草寺の仲見世でターゲットを物色していたところを、年末年始の警戒中の警察官に目をつけられた。後をつけられているとは気がつかず、スリを働いたその場で御用となった。
元警視庁刑事の吉川祐二氏によると、スリには特徴的な行動があるという。「街を歩きながらターゲットを狙い、これがと思う相手に『スリ眼』というものを発生させます、ズボンの尻ポケットからはみ出している財布、カバンの中、内側のポケットなど、1点を見ながら上目遣いで盗み見している『スリの目線』ですね。スリを担当する刑事はそれで見極めます」
肩掛けバックは体の前、手提げ低く持つ
買い物客のスリへの警戒心はどうか。リポーターの田中良幸がウオッチングしてみると、肩のカバンを後ろの方に提げてチャックを開けたままにしている人もいた。品物を選ぶ時にカバンを道路に置いた人、ズボンの尻ポケットから財布がはみ出していた人もいた。
どう注意すればいいのか。元警視庁警視の江藤史朗氏は次の点を上げた。「バッグを肩にかけるときは体の前でしっかり押さえること。手持ちの場合はカバンの位置を下の方にすること。スリが盗もうとすると、かがまなければならないので不審な動作に気がつきやすい。財布はカバンの底に入れ、お金を出す時は財布は出さないでお金だけを出す」
柳川はどんな人物なのか。年金暮らしで金のほとんどをギャンブルにつぎ込んでいたという。近所の人たちは「挨拶なんかするとニコニコして、愛想がよくて悪い人とは見えない」「お姉ちゃんのタイヤがパンクしているよといわれたことがあった。すごく笑顔で優しそうな人だなと思った」などと話していた。
司会の小倉智昭「(柳川は)連行されるときは温厚にそうに見えましたよね」