性同一性障害の40代の経済産業省職員が、戸籍上男性のため女性用トイレを使用できないのは差別だとして、国に処遇改善と約1600万円の損害賠償を求める訴えを起こし、きのう21日(2015年12月)に第1回口頭弁論が行われた。性同一性障害を理由に処遇改善を求めた訴訟は初めてという。
女性職員として勤務認めるがトイレはダメ
この職員は「体は男性」でも「心は女性」で、「アイデンティーは女性です」と話している。記者会見でもピンクのカーディアンを羽織り、首元には真珠のネックレス、髪はセミロングで肩にかかり、見た目も声も女性だ。
大学を卒業し男性として入省したが、1998年ごろ性同一性障害の診断を受け、女性ホルモン投与など治療を始めた。日本では性別変更する場合は睾丸を摘出するなど性別適合手術が必要だが、この職員は持病があり手術が受けられなかった。
経産省との1年間の話し合いで「女性職員として勤務すること」が認められ、女性更衣室を使うことも可能になった。しかし、女性トイレについては「戸籍上の男性のままでは使用できない。性同一性障害であっても、女性用トイレを使用するのは(女性に対する)セクハラになり得る」といわれ、さらに「異動するときは適合手術で戸籍を変更するか、異動先で性同一性障害をあることをカミングアウトすること」などを求められた。また、男性上司から「手術ができないなら、男性に戻ってはどうか」といわれたこともあり、うつ病になり1年2か月間休職した。
逆も戸惑い・・・『女性』が男子トイレで!?
司会の小倉智昭「服装など見た目が女性の人が男性用のトイレに入ってきますと、男性もちょっと戸惑いますよね」
笠井信輔(ニュースデスク)「戸籍上の性と生活上の性とが違う場合、夫婦別姓の場合もそうですよね、そういう形にだんだん成熟していくのが流れだと思います」