洋菓子店などにウソのクレーム電話をかけ、商品や現金をだまし取ったとして詐欺罪に問われている住所不定、無職の小野谷知子被告(45)の初公判が16日(2015年12月)、神戸地裁伊丹支部であった。
ところが、小野谷は裁判官から氏名や年齢を聞かれても「分かりません」を繰り返し、検察官の起訴状朗読を聞こうとしないため、公判を途中で切り上げるという珍妙な裁判になった。
「ショートケーキに髪の毛入っていた」と金品だまし取り
小野谷がだました店は40を超え、カネを要求された店舗は全国の2000店舖に及ぶ。起訴状によると、小野谷は今年2月(2015年)から9月の間に、洋菓子店に「ショートケーキに髪の毛が入っていた。代わりのケーキを自宅に持って来てほしい」などとうその電話を掛けるなどして現金や商品をだまし取っていた。
小野谷が「分かりません」を繰り返すため、一旦休廷して8分後に再開したが、今度は車イスで登場し、検察官が起訴状を朗読し始めると、イスの背もたれに頭を乗せて天井を向いてしまったために、裁判官は続行不可能と判断し閉廷した。
担当の検察官は「とくに体調が悪くなったとは思えませんが、入ってきた時は歩いてきて、帰りは車イスですかあ」と呆れている。
公判を傍聴したリポーターの阿部祐二は「作戦とか策略とかいうことではなく、ただただ怖くなったのではないか」と印象を同情的に話すが、内科医のおおたわ史絵は「もともと、やった犯罪がうそをついて金品をだます演技。特殊な人格の持ち主ですよ」と話す。次回公判は25日。
文
モンブラン