年末恒例の「今年の漢字」がきのう15日(2015年12月)に発表された。清水寺の森清範貫主が揮毫した1字は「安」だった。これを伝える司会の羽鳥慎一が「安心の安でしょうか、不安の安でしょうか」という。まさか「安倍の安じゃないよな」といいたくなる。いや、安倍首相は「安を倍増すると安倍になる」なんてご機嫌らしい。
2位「爆」、3位「戦」、4位「結」
日本漢字能力検定協会が投票で決めるのだが、投じた人それぞれの思い(理由)まで書いているらしい。協会は「安」倍政権の下、「安」全保障関連法案に関心が集まった。テロ事件、異常気象、災害など暮らしを不「安」にさせた。建築偽装など暮らしの「安」全が揺らいだなどが理由だという。
2位は「爆」、3位が「戦」で、4位が「結」だった。なんかどれもぴたっときてはいないような気がする。
玉川徹(テレビ朝日ディレクター)は爆について、「爆買いなのか、爆撃なのか」、戦は「ラグビーの戦いなのか、シリアの戦いなのか」という。「安を含めた上位の3つはどうもきな臭いところにかかわっているようなかんじですね」
投票理由は「不安」が多数
羽鳥「安心といえば安心ですが、投票理由によると、不安の方が多かったというんですね」
玉川「いつも思うんですけど、今の政治が私たちにいちばん提供できていないものが安心じゃないですかね。われわれがいちばん欲しいのが安心です」
羽鳥「そっちの方にしてくださいよという思いがあっての投票1位なのかもしれない」
玉川「年金、老後、みな不安でしょ」
羽鳥「いろんな思いをこめた1位なのでしょう。プラスもマイナスもあります。皆さんはどんな漢字で表せる1年だったでしょうか」
先の「新語・流行語大賞」では、年間大賞が「爆買い」「トリプルスリー」。トップテンも「安心して下さい、穿いてますよ」「エンブレム」「五郎丸」「ドローン」など平和な話が多かった。不安は「アベ政治を許さない」「SEALDs」くらいだ。
といって見回せば、たしかに玉川のいうように不安だらけなのだが、それを表す適切な漢字が浮かばない。そういうことかもしれない。