師走の半ばというのに、福岡県でセミが鳴き、山梨県ではヒマワリが咲き乱れ、スキー場では雪不足だ。今年(2015年)の冬は暖冬の影響でさまざまな異変が起きている。
冬の味覚の越前カニの福井県を訪れると、謎の生物が大量発生して地元の漁民を悩ませていた。プランクトンの一種のサルパで、細胞分裂を繰り返して鎖状に増殖して漁の網にへばりつき、カニ漁に深刻な影響を与えている。
茨城県では白菜が育ち過ぎて通常の1・5倍の大きさになった。4つ入りの規格の箱に3つしか入らない。規格外なので商品価値も下がる。
史上最強のスーパーエルニーニョ!過去最高の暑い年
日本だけの話ではない。アメリカのワシントンでも桜が咲き、南米チリの砂漠では大雨が降り、砂漠一面が花畑になった。原因は「スーパーエルニーニョ現象」らしい。南米ペルー沖の赤道付近の海水温が上昇したためだ。アメリカ航空宇宙局(NASA)は「今年のエルニーニョ現象は史上最強。世界にかつてない異常気象をもたらす」と警告し、世界気象機関も「今年(2015年)は過去最高の暑い年になる」と予想する。
文
一ツ石| 似顔絵 池田マコト