自民・公明両党が検討していた消費税の軽減税率の対象となる「食品」と対象外の「外食」との線引きについて、きのう16日(2015年12月)にようやく決着した。テーブルや椅子を用意した飲食店で食べるのは「外食」(消費税10%)で、持ち帰りや出前は「食品」(8%)とすることになった。たとえば、店でギョウザを1皿食べて、残りは土産に持って帰るとすると、同じギョウザでも税率が異なることになる。しばらくは混乱や困惑が続きそうだ。
増税で販売部数減が怖い
「もうひとつ、食品以外で軽減税率に入ったものがあります」とアナウンサーの森本さやかが説明する。「それは新聞です。対象となるのは定期購読されているもので、同じ紙媒体でも雑誌や書籍は決まっていません。増税で販売部数が減少することを避けたいという新聞業界と、軽減税率制度批判を抑えたいという政府の思惑が一致したといわれています。自民党内でも『選挙対策の一環でもある』『国民の理解は得られない』という意見も出ています」
民主党の細野豪志政調会長も「水道や電気、ガスも生きていく上で不可欠。新聞だけが対象として議論されることに強い違和感を覚える」と語っている。
いよいよ政府寄りに?
司会の小倉智昭「おかしいよね、これも」
深澤真紀(コラムニスト)「新聞だけが軽減税率になれば、新聞は政府側にならざるを得ない。雑誌や書籍は内容が悪いところがあるかも知れないということになると、検閲になってしまう。軽減税率がプレッシャーをかける道具になりかねません」
けさ16日の朝日新聞は社説で「私たち報道機関も、新聞が『日常生活に欠かせない』と位置づけられたことを重く受け止めねばならない。(略)社会が報道機関に求める使命を強く自覚したい」といっていたが、これで国民から理解を得られるかどうか。