タイトルに惹かれて観てみた。見たい映画を選ぶときの要素の一つがタイトルだ。たとえば、「桐島、部活やめるってよ」ときたら傑作に決まっている。さて本作はどうだろうか。
脱サラしてカレー店をオープンする予定の前日、夫(野間口徹)と妻あさこ(黒川芽以)と後輩(川合正悟)は開店準備をしていた。夫は「上から目線」のバイト応募者(今野浩喜)の面接に手を焼いている。そこに「開店祝い」にと大量のレトルトカレーを持ってきたのは、以前あさこと付き合っていたが、いまはストーカーとなった男だ。
さらに、札束をいっぱい詰めたバックを持って押しかけてきたのは兼業ヤクザ(永島敏行)だ。ヤクザはあさこに駆け落ちしようと迫る。後輩の携帯電話の待受画面があさこの顔写真だったこともバレる。どうやら、全員があさこと関係があったらしい。
永島敏行「滑舌」悪くなったなあ
「みんなアタシのことが好きなの?」
自分の「女の威力」に気付いたあさこは、「アタシが世界を変えてやる」と言い出し、通行人の男性と次々とディープキスをする「キスの無差別テロ」を敢行。キスされて茫然としている男たちに捨て台詞。「そこで愛に目覚めてろ!」
やすこの暴走はもう誰にも止められない。
芸達者な個性派俳優を揃えている。しかし、永島敏行、滑舌悪くなったなあとしみじみ。
小劇場の鬼才・福原充則の初監督作品で、小劇場的笑いが好きな人にはウケるかもしれない。普通に映画を期待した人はすべりまくりだろう。笑えない喜劇は虚しい。
佐竹大心
おススメ度☆