中国・北京ではきのう9日(2015年12月)、大気汚染警報の最悪レベル「赤色警報」が発令された。視界は十数メートルしかないように見えるが、この汚染大気はもう北海道にはとどいているという。
九州大学のシミュレーション画像は汚染度が色で分けられ、正常のブルーから薄いブルー、グリーン、黄色、オレンジ、赤、ピンクと汚染はひどくなっていく。北京周辺はピンクだ。それが河北から北朝鮮、日本海を渡って、グリーンと黄色が北海道にかかり、オレンジが迫っている。日時は12月10日午前9時。「モーニングショー」の放送真っ最中だ。玉川徹(テレビ朝日ディレクター)はびっくりしたように「いまじゃないか」
低気圧が日本上空に出ているので、汚染大気は一転して上海あたりから九州へと向かう。距離が近いから濃度は北海道より濃い。15日になると赤が北九州に達し、グリーンは中部地方、薄いブルーは関東を覆っている。
中国政府が規制掛けても効果なし!「環境より生活優先」
原因は明らかだ。工場の排煙、車の排気ガス、暖房などで、とくに集合住宅のセントラルヒーティングは石炭を使っている。中国政府は一部工場の操業を止めさせたり、北京市内への車の乗り入れを制限したりしているのだが、それでも赤色警報というのだから手の打ちようがな い。
中国に詳しい富坂聰氏は「セントラルヒーティングは長江から北では10月から稼働し始めてます」という。温暖化ガスの排出量世界一の理由のひとつだ。しかし、暖房を止めるわけにはいかない。
玉川「なんで環境対策ができないんですかね」
富坂「環境より生活だという感覚がまだ強いんです。当局が把握しきれない工場もたくさんあります」
玉川「中国政府はものすごい強制力をもってるんでしょうに・・・」
富坂「強制力を使うのは、言うことを聞かない者が多いということなんです。地方政府と組んでいるから中央の言うことをきかない」