各地で暖冬被害!加賀の杜氏「寒造りうまくいかない」全国的に気温高め

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   日本列島で暖冬が続いている。気象庁によると、11月(2015年)の平均気温は平年に比べ東北から四国、中国地方まで1~2度高く、九州では2~3度も高い。福岡・大牟田市では先月19日(2015年11月)に、セミの抜け殻の近くに脱皮したばかりのセミが見つかった。

干し柿にカビ生えたり、大根は成長し過ぎ

   暖冬による農業などへの打撃も出てきている。島根・松江市では干し柿にカビが発生し、出荷予定の4分の1を廃棄処分にした。千葉・市原市ではダイコンの成長が早すぎて価格が例年の半値に下落。出荷しても赤字になるだけだと、約3割の大根を廃棄処分した。

   石川・加賀市の老舗酒造会社「鹿野酒造」の杜氏、木谷太津男さんは「酒造りは寒造りという言葉通り、冬場に仕込むことによって雑菌を抑えるとか、モロミの品温管理がしやすいメリットがあるんです。暖冬によってそれがしにくくなるのが心配です」と話す。モロミは発酵段階で温度が上がる。温度を抑えるためにゴムシートの中に冷水を入れる冷却装置で10度以下に維持する。ところが、加賀市の11月の平均気温は平年の9.6度に対し11・5度と高い。木谷さんは「10度以上になると酵母が活動しすぎて味が整わず、薄からい感じのお酒になってしまうんです。温度管理は重要で、0.5度違うだけもダメです」という。

   宮崎哲弥(評論家)「暖冬より寒い冬の方が景気が良くなるんですね。一般論で言えば、冬物の衣料やエアコンを買う人が多くなるからです。暖冬は景気にとってもよくない」

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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