建築を請け負った民家の敷地内に妻を埋めたとして、死体遺棄容疑で京都・長岡京市の大工・渡辺利幹容疑者(41)が逮捕された。供述に基づいて8日未明、京都・南丹市の民家のガレージ下を掘ったところ、深さ1メートル30センチの地中から毛布に包まれたミイラ化した遺体が発見された。
近所の住民「夫婦ゲンカの声がぴたりと聞こえなくなった」
渡辺は2年前の2013年9月、妻(当時37)がいなくなったと警察に行方不明届を提出したが、警察が捜査したところ、妻に失踪する理由が見当たらなかった。渡辺は捜査の進展状況について一切問い合わせしてこないばかりか、警察が公開捜査について打診すると断った。不審に思った警察が渡辺を任意で事情聴取すると、「車で妻の遺体を運び遺棄した」ことを認めた。殺害した供述も始めているという。
渡辺は両親と妻、息子の5人暮らしだった。工務店や家計のカネは妻が厳しく管理していたことから、渡辺は日頃から不満を持っていたらしい。近所の知人によると、「お金に関するトラブルでしょっちゅう夫婦ケンカをやってましたね。おととし9月に奥さんの声がピタリとしなくなり、離婚したと思っていました。捜索願が出されていたことは知らなかった」と話している。
遺棄した場所の上に平気でガレージ追加工事
請け負った民家の建築工事が終わって1年後の昨年、コンクリートを敷いた屋根つきのガレージの工事が行われたが、この時すでに地中には遺体が埋められていた可能性が高い。
ロバ―ト・キャンベル(東京大教授)「死体をどう処理するかによって、犯罪の動機とか関係性が見えてくる場合があると思うんです。この場合は、自分が一番プライドとしている仕事の現場に遺体を埋めた。人間として職人として最低です」