スーパーで購入したウズラの卵からヒナが孵化して話題になっている。売られている卵は無精卵のはずだからだ。愛知県江南市の小学5年生、倉見未鈴さん(11)は、お母さんから「やってみたら」と勧められ、「楽しそうだし、やってみたかった」ので、家にあった発泡スチロールの箱や毛布、電気あんかなど必要なものを揃え、今年5月から挑戦したところ6月に見事ヒナが誕生したという。
鑑別師見落としでメスの中にオスが混じって「有精卵」
豊橋市でウズラ卵を生産している内田貴士さんによると、「孵化させるのは限りなくゼロに近いと言っていいですね。すごく奇跡的だと思う」という。市販されているウズラの卵は基本的には無精卵で、温めても孵化はしない。ウズラのヒナは鑑別師によってオスとメスに分けられ、メスは生産工場へ回される。仕分けは専門家でも難しく、1~2%の確率でメスの中にオスが混じってしまい、成長して群れの中で交尾し、ごくまれに孵化する可能性がある有精卵が混じり市場に出回ることがあるらしい。
未鈴さんのウズラの卵はこのごく希な有精卵だったわけだが、未鈴さんは根気よく「卵の殻に中の子(ヒナ)がくっつかないように毎日、時間ごとに卵を動かしていた」という。
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モンブラン| 似顔絵 池田マコト