12月は救急車の出動が増える。不適切な通報も多く、酔った声で悪態をつく、いたずら電話、軽いけがでも平気で呼ぶなど日常茶飯だ。神奈川・大和市の消防本部に「妻が転倒して出血している」という救急通報があった。「サイレンを鳴らさないで来て」と要求する。救急隊がサイレンなしは法定違反と説明すると、「じゃあ歩いて行くから小学校まで来て」と電話を切った。なんだ、歩けるのだ。
救急要する重症者は10%
妻が頭痛で呼吸困難という高齢男性からの訴えで救急隊が行くと、70代女性が寝ており、血圧を下げる薬をのんで一時もうろうとしたらしい。隊員が何を一番にしてほしいかと問いかけたが、「いまは何もない」という。念のため病院に搬送、診察を受けてすぐ帰宅した。
スズメバチに手を刺され、知人の勧めで119番したが軽症だった人もいる。「とくダネ!」密着した4日間で、47件の通報のうち24件が入院を要しない軽症だった。
去年(2014年)の救急通報は全国で約600万件と過去最高を記録したが、重症者は10%。なかには通報の常習者もいる。川崎市消防局の昨年度の119番通報10万件のうち2800件がいたずらだった。
50代女性「偽計業務妨害容疑」逮捕!「若い人に電話代われ」
11月(2015年)には京都の50代女性が偽計業務妨害容疑で逮捕された。救急通報で「若い人に代わって、おっさんはいらん」と悪態をつき、「しんどいねん、来てほしい」などと繰り返す。隊員は駆けつけると「なにしに来たんや。呼んでない」といういたずらを約1000回も繰り返し、近所でも有名だったという。
大和市消防本部は「必要な時は迷わずに呼んで。ただ、正しい利用法を一人一人が考えてほしい」と話す。いたずらや軽症の通報で重症者の搬送が遅れる可能性もある。
司会の小倉智昭「一概に使ってはいけないことではないけど、タクシー代わりに呼ぶ人がいます」