案の定、マイナンバー詐欺が横行しているようだ。国民生活センターなどへの相談がすでに1か月で300件を超え、実際の被害も5件出ている。被害は年寄りばかりでなく若い人までが引っかかっている。河野太郎・国家公安委員長がきのう1日(2015年12月)に現状を明らかにした。
それによると、10月5日から11月30日の間に警察への相談が168件、実際の被害が確認されたものが2件。消費生活センターなどに4月から11月29日までに135件の電話、被害5件があった。
役所装い「マイナンバー教えたから犯罪」と数百万円
国民生活センターの話では、被害にあうのは60歳以上が多いが、20代でも金を払ってしまったケースがある。「モーニングショー」が手口を紹介した。
(1)個人情報削除に50万円――20代の男性。ある日、1通のメールがきて、「マイナンバーが流出したら悪用されるかも」とあり、「個人情報削除には5000円かかる。コンビニでプリペイド式電子マネーを購入して支払うように」とあった。男性は購入して電話で番号を知らせた。その後も金を請求するメールが続いて、男性は約50万円を支払ってしまった。
(2)1万円で届けます――訪れた男が「マイナンバーのカードは届いてますか」という。住人の女性が「まだだ」というと、「1万円を払えば宅配便ですぐに届けます」。1万円を 支払ったがそれっきり。
(3)宅配業者を装う――宅配業者のような服装の男たちが来て、「マイナンバーは届いているか?」。5000円払えば2時間でいつ通知カードがくるかわかる、という。女性は払ったが、これもそれっきり。
(4)クレジットカード――背広姿に身分証らしいカードをつけた男たちが訪れ、通知は来たかと聞く。「まだだ」というと「1万5000円払えば2時間以内に宅配で送る」。クレジットカードで支払いに応じ、カード情報も盗まれた可能性がある。
(5)劇場型詐欺――公的機関を名乗る男が電話で「ニセのマイナンバー」を伝えてきた。別の男から「寄付をしたいのでマイナンバーを貸してほしい」と電話。教えられたナンバーを伝えたところ、翌日になって寄付を受けたと名乗る男から電話で「マイナンバーを教えたことは犯罪だ」と、代償に現金を要求。女性は手渡しと郵送で数百万円を払った。