福岡市のカイロプラクティック(整体)で施術を受けた70歳の女性が差し出したのが、百円札100枚の束だった。受け取った整体師は「ドッキリかと思いました」という。リポーターの橋本仁衣奈がさっそく出かけて行って話を聞いた。
1953年から74年まで発行
女性は週1回通ってきていて、百円札はピン札だったが、カイロプラクティックの松尾優次郎院長(25)は、「百円札」そのものを見たことがなかった。板垣退助の肖像が入った百円札は1953年から74年まで発行された。女性はなぜ1度も使っていない100枚束を持っていたのか。元銀行員で、百円札が発行停止になるときたくさんの人が両替にきた。将来価値が出るかもという期待だ。つられて両替したのだったが、40年間持ってることも忘れていたという。
去年の秋から膝が悪くなって松尾院長のもとへ。1時間の施術を終えると、すくっと姿勢が立った。「それが嬉しくて、なんかお礼の気持ちを表したいなと思っていたら、百円札の束を思いだしたんです」
東京・銀座で聞いてみると、古い紙幣を持っているという人は結構いた。「ありますよ。値段がつくのよ、プレミアム」という女性、「終戦当時の拾円とか」なんていう男性もいた。
コイン店に聞くと、値が付くのは紙幣では番号だという。同じ数字が並んだゾロ目だと「(100円札で)7~8万円の値がつきます」という。 橋本が福岡の店に持ち込んでみると、「100円という値打ちになります。100枚ですから1万円」と残念な答え。ぞろ目はなかったらしい。
文
ヤンヤン