先頃、京都でゴミ屋敷のゴミ撤去の行政代執行がおこなわれて話題になったが、ゴミ屋敷は全国で増えているのだそうだ。国土交通省によると、全国の市町村に出したアンケートで、回答のあった1217市町村のうち250で「ゴミ屋敷」が確認されたという。しかしこれは2009年の調査で、東邦大の岸恵美子教授は「その後増えてます。どの自治体にもある」という。
豊田市の近隣3棟全半焼の住人は行方不明
全国で初めて「ゴミ屋敷対策条例」による行政代執行を行った京都市には、まだまだゴミ屋敷がある。住民から通報のあった197件のうち121件をゴミ屋敷と認定した。指導の結果、解消したのは51だけだ。
27日(2015年11月)には愛知・知立市のゴミ屋敷からはどんでもないモノが見つかった。住人が線路に鉄パイプを置いたというので捜索したのが、ゴミ屋敷からけん銃、鉄砲、砲弾がゾロゾロでてきたのだ。父親が集めたというのだが、親の代にはりっぱなコレクションだったのか。
毎度おなじみ、ゴミの中に座って「資源です」といい続ける名古屋の御仁もいる。豊田市のゴミ屋敷は8月に火災を起こして近隣3棟が全半焼し、持ち主は行方不明だ。各地の自治体も条例などで規制を強めたり、撤去費用を出したりしているのだが、持ち主に財産権があるからどうにもならない部分がある。
「認知症」「配偶者死亡」「家族から孤立」「無職」
ゴミ屋敷は増えているという。なぜか。岸教授は「ひとつは病気、認知症の初期、軽度の認知症があったりします。認知症でなくても、配偶者をなくすとかして片付けられなくなる、あるいは周辺からも家族からも孤立している人。孤立のためにモノに執着してしまうともいわれます」と話す。
石原良純(タレント)「高齢化の中では、今後も確実に増えていくのでしょうか。きっかけというのはあるんですか」
岸「人間関係でトラブルがあると『面倒だ』と。人を呼びたくない、気にならない」
住田裕子(弁護士)「無職の人が多いですよね」
司会の羽鳥慎一「ご夫婦というのもいない。やはり孤立がポイントですかね」
岸「老いて足腰が弱ると捨てにいけない。分別が複雑だとどうしていいかわからない。思い入れがあるものを手放せなくなるというようなこともあるようです」
石原「これらの人はどうして生活しているのでしょうかね。収入は?」
岸「お金のある人もない人もいます」
石原の疑問が核心を突いていたのではないか。なんとか食べていけるという状況にあるということだ。食べられなければゴミどころじゃないだろうに。