ストレスチェック制度なんて知ってました? 来月(2015年12月)1日から従業員50人以上の企業に年1回のストレスチェックが義務化される。「心の健康を保ちながら働いてもらうという趣旨」(塩崎恭久・厚生労働相)だそうだ。
国が推奨する57項目の質問表があって、回答をもとに職業性ストレスの有無を判定し、ストレス解消の方策を講じるということらしい。
質問はたとえば、「仕事について」は(1)非常にたくさんの仕事をしなければならない(2)時間内に仕事を処理しきれない(3)一生懸命はらたかなければならない―などの設問があり、(A)そうだ→違う(B)ほとんどなかった→いつもあった(C)非常に→全くない(D)満足→不満足という4段階の選択回答をする。
検査は医師や保健師が判定し、結果は本人にのみ通知される。「高ストレス」で治療が必要と出た場合は、本人が希望すれば医師の指導を受けることができる。企業はこれを受けて、業務の配置転換や勤務時間の短縮など必要な措置をとるという制度だ。
だが、マタハラですら当たり前の企業が多いなか、ストレスがたまりそうな勤務状況のなかで、医師にかかる時間を実際に与えてくれるかどうか。役人が考え出した絵空事の感なきにしもあらず。
すすんでる企業のストレス対策・・・4時半に軽食タイム、マッサージチェア
対策をとっている企業はとっくにやっている。東京・港区のIT関連企業「ジオコード」は、終日パソコンをにらむ仕事だが、午後4時半になると社員が一斉に立ち上がって大部屋の一角に向かう。そこにはパン、おにぎり、果物、デザートなど軽食が無造作に置いてある。もちろん無料。9月から始まった。
「気付かないうちにストレスや疲労がたまったりするので、休み時間に席を立つという環境をつくることによって軽減につながればいいと、軽食サービスを導入した」と会社は説明する。
社員は「仕事にもメリハリがつき業務効率も上がる。ストレスの解消にもなるのかなぁ」という。しかし、「パソコンに1日に12時間くらい向き合ってる」ともいっていた。そっちの方が問題ではないのかな。
千代田区の企業用キャンペーングッズの企画制作をしている会社は、緊迫した会議のついたての陰で寝ている社員がいる。「仕事が一息ついたので」という。9月にオフィス向けのマッサージチェアを導入して、空き時間に使えるようにした。マッサージチェアには脈拍測定装置もあって、ストレスの度合いも測ることができる。「身体と心のリラックス」と会社はいう。
過労や仕事のストレスでの労災認定が、昨年(2014年)は全国で497人と過去最多だった(厚労省調べ)。
街で聞いた解消法「酒」「お菓子」「気にしない」「睡眠」
司会の夏目三久が「ストレスがどれだけたまっているか、みなさん実感したことありますか」と尋ねたが、みなマスコミ人だからただ笑うばかリ。「それを感じないようにしてますけど」
佐藤渚アナが「それを測る機械があるんです」と出してきたのが、指を差し込むだけでストレスの度合いを感知するという小型の測定器だ。1分間で脈拍 などから自律神経評価「正常」「注意」「要注意」と3種類の顔マークが出る。岡崎朋美(元スピードスケート選手)が静かだと思ったら、測っている最中だった。
夏目「どう思いますか」
岡崎は「ないと思います。あまり感じない方で」と笑っていたが、結果がでたら「正常」の笑顔マークだった。自律神経のバランス(交感・副交感神経)から割り出すらしい。
夏目「現役時代からそうですか」
岡崎「あまりストレスを感じたことがないです。自然体というか、自分らしくしているので」(笑い)
ストレス発散法を100人に聞いた結果を佐藤が出した。1位が「飲食」で、男は酒、女はお菓子、2位は「気にしないようにする」、3位が「睡眠」だった。
石井大裕アナ「気にしないようにするというのは面白いですね」
佐藤「感じていないと感じることも、大事かも」
企業のなかには、エアロビクス、ボクシングを導入したり、ネコのいる部屋なんてのもあった。なんだ、厚労省のチェックなんか要らないじゃないか。