西田敏行&三国連太郎の名コンビでおなじみの国民的映画シリーズ「釣りバカ日誌」をテレビ東京が連ドラにすると聞いた時は、大丈夫かなあと不安だったが、初回の2時間SPを見て不安は飛んだ。
テレビ版で浜ちゃんを演じる濱田岳(はまだ がく)は名前もリアル・ハマちゃんで、サイズ感もまさにハマちゃん。まさにハマちゃんを演じるために生まれてきたような俳優だ。初回のファーストシーン、鈴木建設の面接で、呆れる面接官をよそに延々と釣りの話をする2代目ハマちゃんにすっかり釘づけになった。
心配した西田敏行のスーさん・・・三国連太郎と違った魅力
スーさんを演じるのは映画版ハマちゃんの西田敏行。三国連太郎のイメージが強すぎて、西田敏行のスーさんってどうなのと思ったが、三国のような渋さはないが、庶民派の憎めない社長という感じで、こちらはこちらでありだなという印象だ。さすが名優・西田敏行である。
映画では、初代・石田えり、2代目・浅田美代子が演じたハマちゃんの奥さんみち子さんは広瀬アリスで、初代は丹阿弥谷津子、2代目は奈良岡朋子のスーさんの妻は市毛良枝、谷啓の佐々木課長は吹越満で、映画版と比較して見るのもまた一興だ。
副題に「新入社員 浜崎伝助」とあるように、2時間SPはハマちゃんが新入社員の頃の話で、鈴木建設に入社したいきさつ、ハマちゃんとスーさん、みち子さんとの出会いが描かれた。なんとなく「釣りバカ」のことは知っていても、そのあたりのことを知らなかったという人も大勢いるだろうから、ここから始めたのは正解だ。反発していたみち子さんがハマちゃんの人柄に触れて好きになっていく過程、そんなみち子さんの変化にまったく気づかないハマちゃん、2人がどんなふうに結ばれるのかも興味をひく。
このキャスト・スタッフで映画シリーズまた始まりそう
映画版と同じ朝原雄三が監督をつとめているということは、このキャストでまた映画を作っていこうという企てもあるかもしれない。もちろん、それも賛成だが、こんなに楽しいテレビドラマを1クール3か月で終わらせてしまうのはもったいない。年に1回でも、特番でもいいから、ずっと続けて欲しい。肩の凝らないエンターテイメントで、いつ見ても、どこから見ても楽しめるので、まだ見ていない人はぜひ。(金曜よる9時~)