「鳴き声がうるさい」と隣家の飼犬を金属バットで殴り、瀕死の重傷を負わせた男が器物損壊で逮捕された。大の犬好き司会者・小倉智昭は「犬の飼主にとってはわが子同然ですよ。自分の犬がそうされたらどうするだろうと思う」と怒るが、飼主にも問題があったようなのだ。
頭蓋骨骨折で瀕死の重傷
栃木県宇都宮市内の民家で22日(2015年11月)午後5時半ごろ、庭先で飼っている犬の異変に住人が気付いた。外に出てみると、ニット帽とマスクで顔を隠した男が金属バットで飼犬を殴っている。逃げた男を追い駆け捕まえると、隣りのアパートに住む大手企業勤務の派遣社員(42)で、「殺すつもりだったんだろう」と問い詰めると「そうだ」と答えたという。
飼犬は頭蓋骨骨折による脳挫傷で瀕死の重傷を負い。男は駆けつけた警察官に器物損壊の現行犯で逮捕された。男は「鳴き声がうるさくて頭にきた」と話しているという。飼犬は15歳のメスのビーグル犬で、人間でいえば80歳ほどの老犬だ。ビーグル犬はイギリス原産のウサギ狩りの猟犬で、獲物を追いかけるのに役立つ大きな鳴き声から「森のトランペッター」と呼ばれている。
飼主によると「老犬のため寝ていることが多かった」というが、1か月前に飼主宅のポストには次のような文面の手紙が投函されていた。「犬がうるさく大変迷惑しております。室内で飼う、使用されていない自動車内で飼う、保健所に預けるなど対策のほど宜しくお願いいたします。住民一同」
驚いた飼主は近所の人に鳴き声がうるさいか聞いたところ、「全然気にしない」という答えが返ってきた。しかし、その前後に覚えのない餌や石粒の入ったシュークリームが置かれるなど嫌がらせがあったため、飼主は近くの交番に相談したという。男と手紙の関連は不明だが、外出する際は犬がいる庭の前を通っていたというから、この男だけが吠えられていたのかもしれない。
飼い主はしつけをきちんとしてたのか
平野早苗リポーター「飼主は殴られ血を流している姿を見ていますから気の毒だなと思いましたね」
竹田圭吾(ジャーナリスト)「こういうことって起きてから考えるって非常に難しいですよ。ここまでやられてしまったという前提で見ると、容疑者を絶対悪で考えてしまう。そこまでの過程で何があったのか、客観的に検証するのが難しい。(事件になる前に)うるさいような積み重ねがあったのではないか検証することが大事です」
しつけができていないのか、やたらと吠える小型犬は少なくない。飼主は自分のところの犬の鳴き声はさほど気にならなかったりするものだ。それでも、苦情を言うべき相手は飼い主であって、犬をなぐり殺すというのは話がまったくちがう。