きのう23日(2015年11月)午前10時ころ、東京・千代田区の靖国神社から「トイレで爆発音がした」と110番通報があった。警視庁が調べたところ、トイレから時限装置と爆発物が見つかった。爆発に失敗したらしいのは幸いだったが、犯人や意図は不明だ。
この日、靖国神社では五穀豊穣を祈る宮中祭祀「新嘗祭」に合わせた行事が行われていて、午前10時は新嘗祭が始まる時刻だった。また、七五三参りもあって、子どもを含む大勢の参拝者がいた。靖国神社はこの事件を受けて、安全が確認されるまで七五三や本殿参拝の受付を中止した。
防犯カメラに紙包み持った不審な男
爆発音がしたのは靖国通りに面した南門近くの社務所に隣接する一般用男子トイレで、爆発物処理班が出動した。時限式の発火装置に使われるタイマーの時計、乾電池などが見つかった。トイレの天井に30センチ四方の穴が開けられ、リード線がついた金属製の筒(3x20センチ)4本が束ねられているのが見つかった。
専門家によると、爆発物は鉄パイプ爆弾の一種で、かつて左翼系がよく使ったものに近いという。しかし、爆発に至らず、電池のあたりが焼き焦げただけで終わっていた。警察は爆弾のつくりからもイスラム国(IS)などとの関連は薄いとみている。防犯カメラには事件の前に紙包みをもった不審な男が現場から立ち去る姿が写っていた。
現場から佐藤渚アナが伝えた。境内はほとんど人影はなく、南門周辺に警察官が集まっている。「このあたりは小学校から大学までたくさんの学校があります」という。境内を通学路に使う学生も少なくないらしい。
防犯カメラではテロ防げない
司会の夏目三久「過激派の犯行なのか、それ以外の目的があったのでしょうか」
野村修也(弁護士)「靖国神社だけに犯人像が気になりますね。防犯カメラに姿が写っていたといいますが、防犯カメラは犯人逮捕には役立つが、予防にはなりませんからね。テロは起こってしまっては終わりなので、起こる前に何らかの手だてを打てないか。映像に不審者が写ったら警報を出すとか、技術的な開発はできないものでしょうかね」
夏目「防犯カメラが何らかの抑止力になるようにという狙いなのでしょうが」
野村「期待したいなと思います」
何をもって不審者と見分けるのか、カンを働かすなんてことは機械にはできない。警視庁は防犯カメラの映像を公開しようとしないが、犯人検挙を急ぐなら、パリの警察当局などの素早い情報開示を見倣ったらどうか。