問われる社会の多様性!法律の対応どう進めるか
国谷裕子キャスター「行政による同性カップルの承認は当事者の方々にとってみると、大変重いものなのですね」
婚姻制度や同性婚に詳しい早稲田大学の棚村政行教授はこう答える。「やっと晴れて自分の言葉で自分たちの関係を表現できるということなんです。社会が存在を認めてくれただけで、大きな喜び、生きる自信が出てきた非常に大きな出来事なのだと思います」
ゆきさんの母親から次のような手紙が取材スタッフに届いた。「男の人と結婚しても幸せになるとは限らない。それなら本当に好きな人と一緒にいる方が良いのではないかと思うようになりました。しかし主人には話せません。親戚にも話したくありません」
娘を思う母親の気持ちが痛いほどわかる。この母娘の悩み、思いは、同性カップルをめぐって当事者や家族が抱えるごく一般的な例なのだろう。母親は熟慮の末、多少あきらめも含め納得したのだろうが、壁が取り除かれたわけではない。
現実問題として、同性カップルが被っている社会的不利益も根強くある。不動産契約を断られる、診察でも同席拒否、生命保険の受取人になれないなどは徐々に緩和されているというが、配偶者控除を受けられないなど法律上クリアできない問題もある。
同性愛者たちは偏見や差別に臆せず声をあげ始めた。社会はどう向き合えばいいのか。問いかけは始まったばかりだ。
モンブラン