使い過ぎの弊害!風邪やインフルエンザにも乱用
なぜ耐性菌が広がっているのか。大曲貴夫・国立国際医療研究センター国際感染症センター長は「一つには抗生物質の使いすぎ」だという。抗生物質は使いすぎると効かなくなるという特徴があるが、本来は不要な場合でも使われてきた。その好例が風邪やインフルエンザへの処方だという。これらはウイルスが原因で抗生物質は効果がないが、医師は「(抗生物質を求める)患者の目もあるし、出して損はない、害はないだろう」と投与しているのが実状だという。
病院内で耐性菌に感染した人が退院し、家族などに広がっていった面もあるという。WHOは「このままでは近代医療が成り立たなくなる」と危機感を強めている。