「パリ同時テロの影響で日本に暮らすイスラム教徒の人たちに嫌がらせが起きています」と司会の羽鳥慎一が伝える。きのう16日(2015年11月)、埼玉県八潮市のモスクで捧げられたのはテロの犠牲者への祈りだった。日本在住のイスラム教徒のアハマド・ナジールさん(48)は「『イスラム国』を名乗っている人はただのテロリストです。こういうことが起きると、被害者になるのはムスリムの人たちです」と憤る。
多くのイスラム教徒が住む埼玉県蕨市のクルド人の若い男性も、「自分はテロ行為についてまったくわからない。イスラムの名で汚いことをやっているだけだ。イスラムをそんな風に見てほしくない」と訴える。
だが、テロが起こるたびに誤解や迫害を受ける。今回もモスクには「早く日本から出ていかんかい、出ていけ」といった電話がひっきりなしにかかってきたという。
IS新たな脅し「爆弾を持ってワシントンに向かっている」
イスラム国(IS)はきのう16日夜、新たな声明を出した。「必ずアメリカの中枢ワシントンを攻撃する。そしてローマを解放する。われわれは仕掛け爆弾や爆発物を持って向かっている。爆弾ベルトやサイレンサ―とともに向かっている」という攻撃予告だ。
司会の羽鳥慎一が中東研究の第一人者の高橋和夫・放送大学教授に「この本気度はどういうものでしょうか」と聞く。
高橋「これは脅かしであって、そんなに力はないと思います。ワシントンを破壊することができるならばとっくにやっているわけで、パリで大きなことをやったので欧米の人たちが怯えているだろう、さらに脅してやろうということでしょう。本当にテロをやるなら、やると言わずに突然やるものです。パリも予告がなかったし、ロシアにやるぞといっていながらやっていない。実力に伴った脅かしではないとみています」
羽鳥「爆弾を持って向かっているといっていますが、この可能性はどうでしょうか」
高橋「それはあると思います。ただ、パリのように、多数の人が組織的に連携して動くというとところまでいっているとは思いません」
テロの流行期!新たな戦争が始まる
世界とISとの関わりは今後どうなるのか。
軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏は「今はテロの流行期、こぞってジハードに走るだろう」といい、国際政治アナリストの菅原出氏は「軍隊VSテロの新しい戦争が始まる」と見る。高橋氏は「進化するテロと組織との戦いなる」と話す。
羽鳥「3人とも言っていることは、これからもテロは増える、そして新しい形態になっていくのではないか、ということですね」