リオ五輪の出場が危ぶまれる事態になっているロシアのドーピング疑惑で、ドイツARDテレビが制作し昨年12月(2015年)に放送されたドキュメンタリー番組「極秘ドーピング ロシアはいかに勝者をつくるか」で、元陸上女子800メートルのステパノワ選手がドーピングの実態を赤裸々に告白していた。
ドイツのテレビ局が隠し撮り
「薬はコーチが買ってくれるか自分で買うか、そのどちらかだわ。彼(ロシアスポーツ医学の権威ポルトゥガロフ医師)は言ったの。『そんな目で見るなよ、怖がる必要なんてないんだ。私の言うことを聞きけばすべてうまくいく』って」
ステパノワ選手はポルトゥガロフ医師とのやり取りをこっそり隠し撮りしていて、その場面が「とくダネ!」でも流れた。試合でよい結果を出すと、医師が「君に薬を投与したから素晴らしい反応だったね。まるで誰かが君にターボエンジンをつけてあげたみたいだったよ」なんて話している。陸上で多くのメダリストを育てたロシアのカザリン・コーチが選手に注射器や錠剤を渡す映像があった。
シカゴマラソンで3連覇したショブボワ選手はこう告白していた。「薬物の陽性反応が出た問題を解決するには、ロシア陸連に15万ユーロを払う必要があるということだった」
揉み消すために、日本円にして6000万円の賄賂をロシア陸連に払ったというのだ。
プーチン大統領APEC欠席!「国家ぐるみ」否定に大わらわ
疑惑の背景にあるのはスポーツによる国威発揚だ。プーチン大統領は12日(2015年11月)、国家ぐるみのドーピングという疑惑について「責任を取るべきは個人。それが一般的なルールだ。違反していない選手まで影響が及んでしまう」と否定した。
笠井信輔ニュースデスク「プーチン大統領はフィリピンで18日から開かれるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)に行くのを止めたみたいですよ。それだけ個人の責任では片付けられない事態に来ているということでしょう」
司会の小倉智昭「かつて中国に馬軍団という長距離に強い連中がいて、ドーピング問題であげられ、あっという間に弱くなった」
WADAの勧告を受けて国際陸連ではきょう13日に協議し、ロシアへの処分を決めることになっている。