医師の免許がないのに「腫瘍が治る」とウソをいい、治療費をだまし取ったとして香川県高松市の自称「藤原赤外線治療院」院長の藤原朝子容疑者(75)が9日(2015年11月)、詐欺容疑で逮捕された。今年2月から3月末にかけて県外の40代の女性から39万円をだまし取った疑いだ。
近所の人はみんな知ってた「医師免許持ってない」
藤原の赤外線治療院は高松市の郊外で、看板がなく普通の民家のようだ。本人は東洋医学の医師だといっていたが、近所の人たちは本当とは思っていなかった。「免許を持っていないことはみんな知っていましたよ」「この辺の人は誰も行きません。県外の人はよくやってくるなあと思っていました」と話す。
だが、最近は誰が書いたかわからないようなインターネットの書き込みがあり、藤原についても「ゴッドハンド(神の手)」「神様のような不思議な手」などと書いてあった。被害にあった県外の40代の女性もネットで知ったようだ。
下腹部に痛みを感じて通院すると、「下腹部の左に腫瘍があるが治る」と赤外線を当てる行為を繰り返しされたが、症状は改善せず、別の産婦人科へ行ったところ、腫瘍は右の位置にあり、しかも良性と言われ警察に相談した。
赤外線は体を温めるのに利用したりするが、腫瘍そのものが小さくなることはないと専門家はいっている。
先生と呼ばれ県外からネット見た患者
藤原は美人でニコニコと愛想が良く、75歳には見えず、服装も派手で上品な奥さんのような感じだったという。26年前から「先生」と呼ばれてきたが、本人は「だますつもりはなかった」といっている。
司会の羽鳥慎一「なんとかしたいと思っている人は、藁にもすがる思いで、やっぱり頼りにするんでしょうね」
菅野朋子(弁護士)「最近はインターネットの情報を鵜呑みにすることが多いですね」
玉川徹(テレビ朝日ディレクター)「信じれば良くなる、ということもありますから」
「ニセ医者」が世の中からいなくなるのは難しそうだ。