国が鳴り物入りで進めた「メタボ対策」が、システムの不備でほとんどのデータが活用されていないことが会計検査院の調べでわかった。投じられた税金28億円だ。
メタボ健診はお腹周りを測り、身長、体重、問診などで「メタボ」「予備軍」などの判定に従って生活指導を行い、心疾患や脳梗塞などの生活習慣病を早期に予防することを目的としている。医療費の抑制にもつながると、6年前に導入された。テレビや新聞も面白がって報道したが、その後とんと話が出なかった。
照合すると数字・記号文字化け
厚生労働省の構想は、メタボ健診結果と病気で受診した明細とを照合することで医療費抑制につなげというもので、これまでに1億4000万人分のデータベースを構築した。
ところが、メタボ健診と医療機関の受診記録のデータの入力方式が違って、実際はデータの8割が照合できなかった。その違いというのが何ともお粗末。健康保険証番号の入力が健診データは「半角」、受診データは「全角」だったため、暗号化すると別の数字・記号にバケしまい、同じ人と認識されなかったのだ。
メタボ健診はいまでも行われている。「あさチャン!」が取材した東京・日の出ヶ丘病院では3万人以上のデータを保管し、保健組合に報告をしていたが、国のデータベースでは照合できないデータが死蔵されるだけだった。
不備わかっていた厚労省!6年間もスットボケ
厚労省は「検査院の指摘を踏まえ、システム改修の対応中で、問題を解消し、質の高い検証を行っていきたい」といっている。こんなことは09年の運用開始のときにはわかっていたはずだ。6年間も黙っていて、検査院が見つけなければ、なおそのままだったのだろうか。システムの改修には約2億円かかるという。
司会の夏目三久「6年かけてデータの8割が活用されていないとはねえ」
前田浩智(毎日新聞前政治部長)「全角と半角を調整すればいいだけの話でしょ」
藤森祥平アナ「修正できたでしょうにねえ」
夏目「改めて検証を行うということです」
もうかるのはシステムをつくる会社だけか。逆にそんなシステムを構築した会社を訴えるくらいでないとダメだろうに。言えない理由でもあるのかといってやりたくなる。