高い場所を怖いと感じない『高所平気症』の子どもが増えている。いつも高いところで生活している子どもは高さの感覚がマヒする傾向にあるというのだ。日曜の1日(2015年11月)午後7時すぎ、東京・葛飾区で全身に擦り傷を負った2歳の男の子が泣いて歩いているのを近所の住民が見つけて110番通報した。男の子は救急搬送され、午後8時過ぎに買い物から戻った母親は「カギをかけて行ったのに」と首をひねった。
男の子の自宅はマンション7階で、ベランダの手すりに指の跡やこすった形跡があった。男の子は約20メートル下の地面に転落し、幸い途中で木の枝にひっかかったためにかすり傷ですんだらしい。手すりの高さは130センチで、2歳児の身長は90センチだった。
子どもは踏み台などから身を乗り出しても恐怖を感じず、ベランダに干した布団や手すり、配管に乗る。
司会の羽鳥慎一「タワーマンションも増えていますよね」
転落事故多発!「アッ、危ない」は月300件
東京消防庁によると、こうした転落事故は平成23年から25年の間に65件起きた。福島学院大学の織田正昭教授は、ヒヤリとするものも入れると全国で月300件はあるという。
織田教授によると、怖いという感覚は本能ではなく後天的なもので、4歳ごろまでに身につけるのが望ましい。ところが、高層マンションでは階段を使わずエレベーターで「瞬間移動」してしまうため、高い場所ほど地面が見えにくく高さの感覚がなくなる。それが普通になってしまうから、高所の恐怖が養われにくい。
宇賀なつみキャスター「木のぼりをして落ちて痛さを知ります。階段であがれば高さを覚えますけど、それがないんです」
羽鳥「外で遊んで感覚を認識させることが大切です。ちょっとの危なさは経験した方がいいようですね」