パートや派遣など非正社員が4割に達した。正社員が定年で退職したあとを人件費の安い非正社員で埋めているのは明らかで、その場しのぎのツケは必ず回ってくるはずだが、厚生労働省の調査はまるで人ごとのように危機感がない。
企業側「賃金の節約」「仕事の繁閑に対応」
きのう4日(2015年11月)に発表された「就業形態の多様化に関する総合実態調査」は、昨年10月1日時点で官公営を含む1万1000の事業所の約5万3000人に聞き、約3万4000人から回答を得た。
結果は、正社員60.0%、非正社員40.0%。非正社員の割合は、民間のみの調査だった前回の38.7%より高くなった。40%の内訳は、パート23.2%、契約社員3.5%、再雇用者2.7%、派遣労働者2.6%、出向社員1.2%などとなっている。
年齢別では、30~54歳で非正社員の比率が前回を上回った。90年代後半からの不況で就職難にぶつかった若者、「ロストジェネレーション」の世代が今も非正社員のままという実態を示している。
企業が非正社員を雇用する理由(複数回答)では、「賃金の節約」が38.6%で最も多く、次いで「仕事の繁閑に対応」「即戦力、能力のある人材を確保」などとなっている。働く側が非正社員を選んだ理由では、「自分の都合の良い時間に働ける」が37.9%で最多だった。
文
ヤンヤン