旭化成建材は1日(2015年11月)までに、杭打ちデータの改ざんが横浜の市立中学、東京・江東区の公立学校、北海道で4件(釧路市の2団地、新篠津村の養護学校、紋別市の道営住宅)で新たにみつかった。杭打ち管理者は発端のマンションも含めて3人で、北海道の4件については特定できていないという。
問題は安全性だ。ビルや施設を使っている人たちは不安になる。江東区の学校について区教育委員会は、施工業者の報告をもとに「安全は確認されている」 と説明したが、いまひとつ説得力はない。
月曜キャスターの澤部佑「びっくりしますね。授業参観のお知らせみたい。プリント1枚で」
国土交通省は旭化成建材の管理が不十分だったとして立ち入り調査を行い、行政処分を検討しているという。ただ、横浜のマンションは東日本大震災の揺れを経ても20センチ歪んだだけだから、すぐに建物が倒壊するということでもなさそうだ。
専門家「旭化成だけじゃない。業界全体に広がる可能性」
データ改ざんは別の測定結果を切り張りしたり流用したりしていたが、専門家は現場では杭打ち作業に集中するから、データ取りがおろそかになりがちという。また、10年前はデータをとる機器の操作が煩雑で面倒だったと、手抜きの背景をいう。
とすると、旭化成建材だけでなく、どこでもやっていた可能性はないのか。この専門家は「業界全体に広がる可能性はある。旭化成だけじゃない」と話す。
龍崎孝(TBS解説委員)「旭化成建材だけの問題なのか、業界全体の問題なのか。まずは現場管理者の3人から『なぜやったのか』をきちんと聞くことが重要ですよね。その中から、企業の問題なのか、下請け、孫請けという業界全体の問題なのかがわかる。これを踏まえて国土交通省は次のステップにいってほしいです」