旭化成建材による杭打ち工事のデータ偽装が新たに横浜市立中学と北海道・釧路市の道営住宅2棟で見つかった。旭化成建材のデータ偽装は全国30~40件になる疑いも出てきた。横浜の傾きマンションの現場責任者とは別の担当者が偽装に関与していることも判明しており、「会社の体質の問題」という指摘が強まっている。
司会の小倉智昭「毎日どんどん増えるんじゃたまったもんじゃないです」
新たに横浜市の市立中学、北海道の公営住宅
横浜市青葉区の市立中学校では、210本の杭打ち工事のうち15本の工事で根元に注入するセメント量のデータが偽装されていた。釧路市の道営住宅では、1棟は31本のうち1本、もう1棟は22本のうち2本のデータをでっち上げていた。2棟は同じ現場責任者が関与し、すでに退職しているという。横浜市立中学校は別の現場責任者が担当していて、計3人の現場責任者が関係していたことになる。
旭化成建材は「最初のうちは(データ記録を)やっていたんだけと、途中からルーズになってやらなくなった」(前田富弘社長)、「ヒヤリングしてみてルーズな人間だなと感じた」(堺正光取締役)などと話し、ある特定の現場責任者の問題として片付けてきた。
データ偽装拡大で、横浜のマンション現場責任者が関わった41件を優先的に調査するとしてきた旭化成建材の説明はまったく説得力がなくなり、「会社の体質の問題と言わざるを得ない」(北海道庁)という厳しい見方が強まっている。
「業界全体で不正しなければ施工できない」
偽装は旭化成建材だけではないという声も強い。旭化成建材で杭打ち工事に携わってきた元現場責任者は、「私もやってきたし、同僚何十人も同じようにやるのが当たり前だった。業界全体で不正をしなければ施工できないところがある」と証言している。
1級建築士の武田学は「1本ぐらい杭が支持層に到達していなくても大丈夫という意識の共有があったのではないでしょうか」と見る。
小倉「杭打ち工事を請け負っている会社は大変な騒ぎになっているでしょうね」
日本のビル全体が地盤問題が疑わしくなってきたが、都心でブームの超高層マンションは大丈夫か。