イギリス・グラスゴーで開かれている体操世界選手権の男子団体決勝で28日夜(日本時間2015年10月29日未明)、日本が優勝した。実に37年ぶりだ。昨年はわずか0.1点差に泣いた因縁種目だった。
最後の種目残し2位アメリカとの差1.832点
床から始まった決勝で日本は幸先よくトップにつけた。2位はアメリカ、中国は不調で5位。あん馬、吊り輪を終えても順位は変わらず。4つ目の跳馬、5つ目の平行棒を終えて、2位アメリカとの差は1.832点。中国は3位に上がってきていた。
最後の鉄棒が勝負となった。ところが、2人目の田中佑典選手(25)が落下し、3人目のエース内村航平までが落下した。演技を再開した内村は以後は完璧にまとめたが、注目は得点だ。13.993以上なら優勝である。固唾を飲んで結果を待つ内村は複雑な表情だ。昨年の銀も内村の鉄棒の落下があったからだ。
得点が出た。14.466! 祈るように指を合わせていた白井健三選手(19)が飛び上がった。内村が仲間を振り返って抱き合う。観客席の女子選手もいっせいにたちあがった。
常勝・中国は3位に沈没
石井大裕アナ「37年ぶり、悲願の団体金メダルです」
スタジオも拍手、拍手。鈴木明子(元スケート選手)は「鉄棒の落下で昨年の悔しさがあって、内村選手も点が出るまで気が気じゃなかったでしょうね」という。スケートも採点が出るまでは胃が痛くなる時間だ。
司会の夏目三久「団体と個人ではまったく違いますね」
鈴木「団体だとみんなの思いもあるので、違うでしょうね」
常勝の中国は3位で、2位は序盤のアメリカに代わってイギリスになっていた。石井が「地元で観客の声援もあったのでしょう」
内村は世界選手権、五輪を合わせて個人では8つの金メダルを取っている。
石井「内村を超える者は出ないだろうといわれているのですが、団体は銀ばかり。あの落下を見守る選手たち、観客席にはお母さまもいました。ドラマでした」