簡易書留によるマイナンバー通知カードが届き始めている。プレゼンターの荘口彰久がいち早く発送を終えた千葉県習志野市で話を聞いた。ある理髪店では家族6人あてに6通の通知カードが入っていたが、「12桁のナンバーは家族で連番と思ったら、みんなバラバラなんですね」と店主(62)はいう。
同封された申請書に名前を記入し、顔写真を貼って返信すると、ICチップが組み込まれた個人番号カードが送られてくる。理髪店主の悩みは「重要な個人情報が詰まっている個人番号カードを入手し、持ち歩く必要があるのかどうか」だ。健康保険証や運転免許証に代わる本人確認用のカードとしての活用が検討されているというが、今のところ国民にとってメリットがまったくない。写真を自費で用意してまで個人番号カードを入手する必要があるのかどうか。
ただ、マイナンバーそのものを必要とする機会が来年(2016年)以降は増えるという。サラリーマンは源泉徴収の発行やパートやアルバイトは月20時間以上働く場合、雇用者側に義務付けられている雇用保険加入の際に必要なるという。その際にカードの提示が必要なのかどうか。番号の通告だけでいいのか、どうなるかわからない。
役所名乗る詐欺グループ「ナンバー」聞き出し
詐欺らしきものも横行しているようだ。荘口が自転車販売店を取材すると、1か月以上も前に封書でマイナンバーを知らせてきたという。見せてもらうと、12桁がひと桁たりない11桁だった。役所からだと偽って、本物のマイナンバーを聞き出そうというわけだ。
さらに、受取人不在で郵便局に戻った通知書類の保管期間は1週間という。その後は自治体に戻され、自治体の保管期間は3か月で、期間が過ぎると破棄される可能性があるという。破棄されるといったいどうなるのか。
司会の小倉智昭「考えれば考えるほど不思議なことばっかりですよ。これでは、あとで番号がダブっている人が絶対出てきますよ」
27日(2015年10月)現在、通知カードが配達された地域は、北海道、東北、北陸のほかは、関東(茨城、千葉)、四国(高知、徳島、香川)、九州(大分)の一部だけ。11月中には全世帯に届くというが、荘口は「無理じゃないですかね」と見る。