なぜなくならないのか大病院の『医療事故』年間1300~2000人死亡!とにかく隠せの閉鎖体質

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動き出した「名古屋大学付属病院」事故調査は責任追及より原因解明と再発防止

   医療事故はあとを絶たない。医療事故での死亡は年間1300~2000人と推定されている(厚生労働省)。国は今月(2015年10月)、「医療事故調査制度」をスタートさせた。予期しなかった死亡事故について、院内調査と第三者機関への報告を義務づけるものだが、調査するかどうかの判断は医療機関に委ねられている。自浄作用は大丈夫だろうか。

   過去に重大事故を起こしている名古屋大学付属病院は、1日に2000人が訪れる大病院だ。ここでは「ひやり、ハッと」も含めた「事故」の報告が年間1万件あり、「安全管理部」に届く。担当者はすべてに目を通し、重要度と専門性から再発防止につなげている。いわば国の制度の先取りである。

   患者にある薬を投与したら発作を起こした。医師、看護師に弁護士も参加して、あらゆる可能性が検証される。現場へのヒヤリングもする。死亡事例や医療ミスの可能性のあるものは外部の専門家を入れた調査委を設置する。情報は公開が原則で、過去10年間の重大事例はいつでも閲覧できる。

   すべては再発防止のためだ。事故調査も責任追及ではなく、患者の命を救うことにつなげる。そうした意識の浸透で、報告件数は増え、過失による重大事故は抑えられた。長尾能雅副院長は「医療安全は先進医療のためのチケット。安全だから新しい医療も許される」という。

   天野さんは「名大は医療安全の究極の形だと思う。医療安全の文化は空気かもしれない。薄くなれば苦しい。だから濃いめにすることが大切だと思います」

   「いい医者に巡り会うのも寿命のうち」という。助かったらいい医者というわ けだが、本当にいい医者かどうかは、なにかが起こったときにわかるのか もしれない。どこまでいっても、患者はまな板の鯉である。

*NHKクローズアップ現代(2015年10月22日放送「なぜ医療事故は繰り返されるのか~再発防止への模索~」)

ヤンヤン

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