「ツタヤ図書館」本が探せない!「旧約聖書」「三島由紀夫『金閣寺』」旅行記かい!?
ところで、レンタル大手「ツタヤ」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が地方自治体と組んで始めている「ツタヤ図書館」が暗礁に乗り上げている。愛知県小牧市では計画をめぐる住民投票で反対多数となり、契約を解消して計画を白紙に戻した。
山口県周南市でも新徳山駅ビルの図書館建設計画について、計画に反対する「県オンブズマン市民会議」が発足している。佐賀県武雄市が13年に開設した全国初の「ツタヤ図書館」は初年度の訪問者が92万3000人と当初見込みのほぼ2倍になり、市外からの訪問も多く、武雄市が食事や土産など年間の経済効果を約20億円になるとしているほど成功しているように見えるが、なぜ反対の動きが大きくなっているのであろう。
武雄市図書館ではCCCと出資関係があった古本業者から中古本を購入していたことが発覚した。神奈川県海老名市が開設した「ツタヤ図書館」では、海外の風俗店を案内する不適切な本が開設後に見つかっているなど、選書の不透明さなどが問題化しているのだ。
それに、図書の分類で使われるNDCを使わないから、「旧約聖書 出エジプト記」が旅行/海外旅行/アフリカ/エジプトに分類され、三島由紀夫の「金閣寺」は旅行、ガルシア・マルケスの「百年の孤独」が料理/お酒/焼酎に分類されているというのだから、笑える。まだある。魯迅の「酒楼にて/非攻」は料理、トクヴィルの「アメリカのデモクラシー」が旅行という具合である。
代官山「蔦屋書店」へ行くとわかるが、見ていると楽しいのだが、目当ての本を探そうとするとどこに置いてあるかわからず、イライラさせられる。見てくれのよさよりも本読みに大事なのは、読みたい本がすぐに見つかり、静かな環境で読めることである。図書館を人集めと自分のところにある新古書本を売りさばく場にされたのでは、住民が怒るのも無理はない。