「新聞チェック」コーナーで山本匠晃アナが産経新聞の記事の見出しに「2015年10月21日午後4時29分」とあるのを指して、司会の夏目三久とコメンテーター龍崎孝(TBS解説委員)に「何だかわかりますか」と聞いた。2人とも知らなかった。
じつはこれ、1989年に大ヒットしたSF映画「バック・トゥー・ザ・フューチャー」で、主人公のマーティー(マイケル・J・フォックス)が30年後の未来にたどり着いた時間だ。それがちょうどきょうだというので、いまアメリカのメディアは、映画に出てくる「未来」が正しいかどうかで盛り上がっているのだという。
スマホなど想像もできなかった30年前
フォックスもいまや54歳、ドクを演じたクリストファー・ロイドも76歳だ。ロバート・ゼメキス監督らが描いた30年後はどんなだったか。映画ではマーティーが日本人の上司からファクスで解雇通知を受け取る。多くの場面にファクスがあり、公衆電話もあふれていたが、「これらは過去のテクノロジーだ」とニューヨーク・デイリー・ニューズは書いている。
インターネットの普及は90年代だから、電子メールなんて予測できなかった。映画の脚本を書いたボブ・ゲイルは「スマホみたいになんでも搭載する機器が出てくるなんて信じられないことだった」という。
映画では、プリンセスからクイーンになったイギリスの「ダイアナ」が新聞に出ているが、彼女は97年に事故死してしまった。まあ、その前に離婚していたし、これもはずれ。
空飛ぶスケボーはトヨタが一部実現
当たったというのか、今も夢というのか。例の宙に浮かぶスケートボード「ホバーボード」は、トヨタ自動車がホームページやCMに登場させている。実用には遠いようだが、映画ほどではないものの、とにかく地面からボードは浮き上がるまでにはなった。
もうひとつ、通話機能つきメガネも出てくるが、これは「グーグル・グラス」やテレビ電話などが実用化している。
夏目「30年前に予想した未来はどんなものでしたか」
龍崎「新聞記者になったばかリでしたが、当時の三種の神器は、カセット・レコーダー、ポケットベル、それと公衆電話を使うための10円玉だった。今それが全部スマホに入ってる」
夏目「これから30年経ったらどんなになるんでしょうかねえ」
この映画の主役はタイムマシンだが、さすがにこれだけは不可能と思っているのか、だれも言及なし。しかし、SFというと必ず登場するんだよね。映画より30年も前のSF小説「夏への扉」(ロバート・A・ハインライン)なんてのもタイムマシンが主役だった。その中には「お掃除ロボット」が登場していたが、ちょうどいま人気だ。作家の頭は数十年進んでいた。