日本シリーズを逃したあと退任した巨人の原辰徳監督の後任に、巨人軍はきのう20日(2015年10月)、選手兼打撃コーチの高橋由伸氏(40)に監督就任を要請した。長嶋茂雄・終身名誉監督の推薦というが、会見した高橋はいささか思い悩む風で、「よく考え、1日も早く答えを出したい」とはっきりしなかった。
長嶋茂雄「彼しかいない。全面的にバックアップ」
会見に現れた高橋は「大変光栄なことです」と話し始めたが、重圧からか笑顔もなく、「まだ引退したわけではないし、CSを終わって、来季に向けて選手として気持ちを切り替えていたところだったので、驚いています」と戸惑いを隠さなかった。「(監督を)受けるということになれば、選手兼任ということはないと思っています」「選手としてなのか、監督としてなのかわかりませんけど、どちらの形になっても、ファンの皆様の期待に応えたいと思ってます」
高橋を推したのは長嶋で、巨人軍の久保博社長は「長嶋さんが『高橋君しかいない。自分は39歳で監督になった。高橋君は40歳。今のチー ムは若い監督が率いて大きく切り替わる時期だ。私ができる事は何でもサポートします』とおっしゃってます」と語った。
高橋は慶大時代に東京六大学新記録の通算23本塁打を記録し、1997年のドラフト1位で入団した時の監督が長嶋だった。長嶋はそのとき「10年に1人の選手」と高く評価し、1年目から3割、19本塁打で主軸になった。
これまでの最高打率3割2分3厘、07年35本塁打、守備でもゴールデングラブ賞を7回とっている。打撃コーチ兼任になった今季は代打要員だったが、打率は3割9分5厘と勝負強さを示していた。通算で1753安打、321本塁打、986打点になる。
これまでで2番目に若い監督
キャスターの博多華丸「代打で3割9分はすごい」
40という年齢は、選手としてはまだまだやれる。同い年で、ケガのため中日を退団した川上憲伸投手は「治ったら中日の入団テストを受けるかな」と話している。石井大裕アナが博多に「まだ現役でいけますよ」
高橋が引き受けると、これまでで2番目に若い監督になる。長嶋が39歳、川上哲治40歳、水原茂41歳、王貞治、原辰徳が43歳だった。また、セ・リーグの監督が全員40代ということにもなる。
高橋が悩む理由は巨人監督の重さだ。1950年から65年間に、阪神は21人、中日17人、広島16人の監督がいるが、巨人は次期監督で8人目だ。重いだけでなく任期も長いわけだ。長嶋が15年、川上が14年、原12年である。
石井「それだけプレッシャーもあるでしょうね。まあ、じっくり考えていただきたい」