「ハリー・ポッター」など斬新なアイデアで人気のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ)は16日(2015年10月)、ネットなどで転売されたチケットを11月から使えなくすると発表した。業者らによる買い占め・転売を防ぐためというが、実際に損をするのは業者ではなく買った人になる。騒ぎになる可能性もありそうだ。
「ハリポタ」オープンでエクスプレス・パス大量買占め
USJは転売は年間十数億円、数十万枚の規模(試算)になるといい、とくに目立つのが待ち時間が少なくてすむ「ユニバーサル・エクスプレス・パス(UEP)」(3000~1万円余)だ。ホームページで毎日限定発売されるが、ほとんどを業者が買い占めて高値で売っているという。
こうした業者や個人は、USJが把握しているだけでも数十人に上り、4000枚も買い占めた例もある。また、UEPのペアチケット1万4400円を7倍の10万円で売っていたケースもあった。
USJの昨年の入場者は1270万人と過去最高を更新した。7月にオープンした「ハリポタ」の人気が大きく、他にも「スパイダーマン」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」など、どれも待ち時間が長く、160分などはザラだ。チケット転売が急増したのは、「ハリポタ」からだという。
USJは数十人の対策チームでチケットの販売状況の追跡(履歴)やネット・オークションの監視を行って、転売の実情を把握し、今回の決定になった。これについて広報担当者は「転売チケットを買った人には忍びないと悩みましたが、何とか不正を撲滅したいとこの手段をとった」と話す。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト