<日本と原発4年後>
原発の危険伝え続ける河合弘之弁護士の奮闘!映像でも訴えたいと自作・自主上映

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(C)Kプロジェクト
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   原発の危険性を訴え、全国で差し止め訴訟を起こしている弁護士・河合弘之は、福島第一原発事故以降、ますます活動に力を入れた。しかし、メディアの原発批判報道は少なく、国民の関心は薄れていく一方である。

   そう考えた河合は論文や書籍ではなく、国民により理解をしてもらえる手段として、2014年秋に「日本と原発 私たちは原発で幸せですか?」というドキュメンタリー映画を作り、全国で自主上映をしてきた。原発訴訟の証拠資料として裁判所へも提出し、法廷での上映も実現している。

   この映画はその続編にあたる。原発の仕組みや歴史、それを支える社会構造を分かりやすく描き、原発推進派と脱原発派の有識者という対極する立場の人への取材を通して、福島第一原発事故からの4年後を描いている。

もっと福島事故の怖さ知ろう

   原発とはこういうものだという基本を観客に徹底的に知らせていくさまは、手法というよりも「手段」であり、弁護士さえ映画を撮らざるを得ない状況であることに気付かされる。また、弁護士にしか撮れなかった映画であることにも気付かされる。

   「原発反対」というシュプレヒコールが以前より聞こえなくなったのは、国民の関心が薄れてしまったからなのだろうが、原発事故がもたらした被害は現在進行形だ。また、原発事故の責任はまだ誰も取っていない。

   福島第一原発の廃炉作業には数十年がかかると言われているのに、事故から4年で九州電力・川内原発は再稼働し、差止めの動きは今も続いている。この映画は「原発は嫌だ」と感覚的に拒否する時期は過ぎて、いまは現実問題としてに国民が考える時期にあり、事実を残していく時期にあると論じている。

   戦争がそうであったように、事故の記憶は薄れていき、やがて事故のことは教科書でしか知らない世代が出てくる。そして、また事故が起これば、新しい世代は「なぜあのとき原発を止めなかったの」と言うかもしれない。われわれが次の世代にこの事故をどう語れるのか、それは推進派だろうが、反対派だろうが、「知ること」から始まるのだろう。知ることではじめて自分にもできることが見つかるかもしれない。河合弁護士は近い未来に語りかけている。

丸輪太郎

おススメ度☆☆☆☆

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