なるほどそういう役に立つのか・・・梶田隆章教授「ニュートリノ研究」数年以内に火山噴火予知
先輩研究者から受け継がれてきたニュートリの研究によってノーベル物理学賞を受賞したのは東大宇宙線研究所所長の梶田隆章教授(56)である。梶田氏は埼玉県東松山市の酪農家の生まれ。
今回の受賞は02年にノーベル賞を受けた小柴昌俊東大名誉教授(当時)に続くものだ。<「物質をどんどん細く切り刻んで行って最後に残る最小単位は何か。それを突き詰めていく学問です」(中畑雅行東大宇宙線研究所教授)>
これほどの才能の人でも京都大学に不合格になり、2期校受験で埼玉大に行っている。だが、この説明では何のことやらさっぱりわからない。湯川秀樹博士の弟子である坂東昌子・愛知大名誉教授がこう解説してくれる。<「核施設を内緒でつくった国があるとしましょう。そこから当然ニュートリノが出るのですが、これを捉えて分析すれば、『あそこにあるぞ』と出所がわかるといった利用法も考えられる」>
地球物理学者の島村英紀氏がこう続ける。<「数年ほどの間に、火山の噴火予知に応用できるかもしれません。噴火というのは、火山の下にある『マグマ溜り』がどんどんせりあがってきて最終的に地上へ噴き出すもの。ニュートリノ観察によって、こういった特定の火山の下で起こっている動きを覗けるようになるのです」>
ニュートリノで世界を透視できるというのだ。よくわからないが、人類の平和に役立つ発明や発見のようである。