「アナログ運行指令」だからできた臨機応変
京浜急行は首都圏の鉄道のなかでも遅れが少ないことでは断然トップの会社だ。運行を司っているのはコンピュータによる中央制御ではなく運転指令の職員たちだ。指令区間をいくつかに区切って、主な駅では司令所から電車を目で見ながら人が指令を出している。
その理由を「何か起こったとき、臨機応変に対応できる。ITは順調な時はいいが、ことが起こると、影響が長引く」と説明している。NHK「クローズアップ現代」(10月1日放送)がこのところ続く鉄道事故をとりあげた際、「異色」例として伝えていた。車掌の置き去りはまさに臨機応変の実例だった。
中央制御だったら全線ストップとかとんでもないことになっていたかもしれない。むろん、京浜急行の路線が短く、シンプルだからできるという面もあるが、人の判断はいざというときにITを超えるという現代の皮肉だろう。
文
ヤンヤン