ハリル・ジャパンが難敵を破った。サッカーW杯のアジア2次予選E組の対シリア戦がきのう(日本時間2015年10月8日)オマーンで行われ、日本は3-0でシリアを下し、勝ち点を10に伸ばしてE組首位に立った。シリアのホーム試合だが、戦乱のためオマーンでの開催となった。
本田も岡崎も「いや、サポーターが満足するようなサッカー見せられてない」
前半の日本は、何度かチャンスはつかんだもののシュートが決まらず、逆にパスミスからピンチを招く場面もあって、動きがいまひとつだった。0-0のまま後半に入った9分、長谷部からのロングパスが相手DFの裏へ走り込んだ岡崎に通った。あわてたDFがペナルティエリアで岡崎に体当たりして倒しPK。これを本田が決めてまず1点とった。
後半25分に左サイドを突破した香川のクロスに岡崎があわせて2点目。43分には速攻から宇佐美が決めて3点目をきめた。相手に得点もさせず、ハリルホジッチ監督も「後半に少しづつよくなった。選手とサポーターを祝福したい。美しい勝利だった」と珍しくほめた。
3連続得点の本田圭佑は「まだサポーターが満足するようなサッカーは見せられていない」と辛めのコメントをする。代表通算47得点目をあげた岡崎慎司も、「真司(香川)が突破してくれた。ボクは決めただけ」と淡々としていた。
「もっとズルいサッカー身につけろ」
ただ、ハリルホジッチ監督は、とくに前半、得点を逃すたびにはげしい怒りのゼスチュアを繰り返していた。突破口になったPKについて、石井大裕アナが「監督は以前こんなことを言ってました」とフリップを出した。「PKをとることは、得点するために必要なことで、文化がないなら教えたい」とある。8月27日の2次予選代表メンバーの発表会での発言だ。これはきびしい。
司会の夏目三久「どういうことですか」
石井「自分がどういう動きをすれば相手DFがどうファウルするかを学べということです。さらにこうも言っています」
もう1枚のフリップには「FK、PKがとれないことでは、このチームは世界一だ」とある。9月3日のカンボジア戦のあとの発言だ。南米や欧州の選手のずるさ、巧みさに比べて、素直な日本選手へのいら立ちが出ている。
石井は「今回はそのPKから道が開けました。こういう試合巧者になること」と監督の写真を指して、「こう見えても、フランス・リーグで2回得点王 になってますからね」
そう、十分にずるいタヌキなんだ。人相だって悪い方だぞ。
日本の次の相手はイラン。13日に相手のホームで戦う。