きのう7日(2015年10月)に発足した第3次安倍改造内閣は、初入閣は10人だけで、主要閣僚9人と党4役は留任という守りの布陣となった。安倍首相は「未来へ挑戦する内閣」と胸を張ったが、目玉は新設の「1億総活躍」担当大臣の意味がわからないうえ、何を仕事とするのだろう。
「この印籠が目に入らぬか!」安倍首相の代理として閣内締め付け
「1億活躍大臣」には首相側近の加藤勝信・官房副長官をあてた。首相のいう「新3本の矢」(GDP600兆円、子育て支援、出生率1.8)、社会保障(介護離職ゼロ)に取り組むというのだが、野党からはぼろくそだ。
「1億総活躍?何なんでしょうね」(維新の党・松野頼久代表)
「1億なんとか、訳が分からない」(民主の党・枝野幸男幹事長)
司会の夏目三久も「何を担当するんですか」
龍崎孝(TBS解説委員)は「縦割り行政・政策の束ね役だ」という。「たとえば、人口減少対策にしても、女性の問題、予算問題と省庁の連携がいります。それを総理の名代としてまとめる役です。永田町では、加藤さんの発言は総理の発言と受け取られています」
牧嶋博子(TBS解説委員)「束ねられた人たちは、言うことを聞けとなるのかしら」
石破地方再生のはしご外し、河野太郎は封じ込め
龍崎「意味深だと思ったのは、地方創生で再任の石破さん。加藤さんとやることがダブるんです。役人からすれば、どっちに報告に行くのか迷う。総理に近いのは加藤さん」「もうひとつ、岸田(外相)派の閣僚が岸田さん1人になった。ここでもけん制している」
新任のなかに河野太郎氏の名前があったのも話題だ。国家公安委員長・行政改革・防災担当だ。歯に衣着せぬ政策批判で知られる人だけに、入閣したらどうなるか。ご本人はきのう、「閣内で議論ができるようになる。その結果、決まったことは守る」といっていたのだが、実はその前日、本部長をつとめる自民・行革推進本部が行った新国立競技場をめぐる検証結果の発表で、経緯をボロクソに批判した上で、「(コスト優先で)品質を落とすなら、建てないという選択をすべきだろう」と大胆な提言をしていた。
河野氏の入閣も、龍崎は「封じ込め」だという。行革担当は霞ヶ関の調整役で、各省の政策にものいう立場ではない。国家公安委員長も警察の束ね役だ。河野氏の持論である「原発ゼロ政策についても自由に発言できなくなるだろう。
牧嶋「河野さんは党内野党みたいな人。年金でも民主党に近い主張だった。それが言えなくなる」
龍崎「自民の幅広さを示す人だったが、そういう人まで入れたよという、懐の広さをみせたかったかもしれないけど、閣議などでいろいろ発言しても、多数にはならないですよね」