きのう6日(2015年10月)、東大宇宙線研究所長の梶田隆章さん(56)がノーベル物理学賞に選ばれた。おととい5日の北里大特別栄誉教授・大村智さん(80)の医学生理学賞に続く快挙となった。梶田さんの授賞理由は、これまで質量(重さ)がないとされていた素粒子のひとつ「ニュートリノ」に重さがあることを証明したことだ。
『鉄腕アトム好きだった少年』門を叩いた二人の恩師
梶田さんは「この研究は何かすぐ役に立つものではないが、人類の知の地平線を拡大するようなもの。純粋科学にスポットを当ててもらいうれしい」と話した。大村さんの医学生理学賞は人類を失明から救うものだが、梶田さんの研究は宇宙の成り立ちや物質の起源を解明する一歩となる。
梶田さんには2人の恩師がいる。鉄腕アトムが好きだった梶田少年は埼玉大理学部を卒業後、物理をさらに研究したいと門をたたいたのが、02年にニュートリノ研究でノーベル賞を受賞した小柴昌俊・東京大特別栄誉教授(89)だった。そこにはもう1人の恩師の戸塚洋二氏がいた。ノーベル賞の有力候補とみられていたが、08年にがんのため66歳でこの世を去った。この遺志を受け継いだのが梶田さんだった。
1980~90年の日本の研究をいま世界が評価
梶田さんはきのうの記者会見で、「研究を進めるうえで私にとって一番重要だったのは、小柴先生、戸塚先生、この2人です」と強調した。
司会の羽鳥慎一「梶田さんの受賞で日本人の受賞者は24人となりました。このうち、物理学賞は11人です。なぜ多いのでしょうか」
梶田さんを長年取材している科学ライターの緑慎也氏は「1980年代から90年代に行われた研究に対して与えられています。当時、経済的に余裕があったため、基礎的な研究ができた。その成果がいま認められているということです」とみている。
羽鳥「それにしても2日続きですよ」
菅野朋子(弁護士)「内容はさっぱり分からないんですが、うれしいことです」
玉川徹(テレビ朝日ディレクター)「やっぱり、基礎研究に対してはしっかり予算を付けなければダメだということなんですね。どんな時代でも。そうじゃないと、これから20年先は受賞者がいなくなってしまう」
すでに、そういう予兆はないのか。